それはどこで聞いた歌だったろう。この広い海を自由に行き来する船なのでもはやどこで聞いた記憶だったのかは定かではない。しかしそれは身体に懐かしく染み込んだ歌だった。
曇りがちだった空の下、雨が降り出さないうちにとそれぞれに割り当てられた仕事を開始する船員達。千六百もの船員を擁するこのモビーにはしなければならないことが山積みだ。船大工が多く所属するフォッサの隊の隊員達が船尾、中央、へさきに固まって点検している他の隊員達からの声を待っている。
そんな中でメインマストのてっぺんに座って鼻歌を歌っていたエースは、ふと自分の歌っていたこの歌がどこで聞いたものだったかと疑問を持った。下を見下ろすとマストにかかっているロープを登って点検を続けているブレンハイムの隊の隊員がいる。きっと船倉ではクリエル達が大砲の点検や銃器の掃除をしているだろう。
「よーしここは異常なし!って、あれエース隊長なにしてんですか」
「ん、いや、暇だなーと思って」
「なら手伝ってくださいよ、俺等仕事が山よりあるんですから!」
えー、いいよと言うエースはてっぺんからするすると降りてきて、ふと空を見上げた。厚い雲はこれから一雨くるのではないかと思わせる。さてやってくるのは一体なんだろうなと考えながら俺はどこをやればいいよと尋ねて笑う。
「あー、あ、いや、そういえばエース隊長、さっきマルコ隊長が捜してましたわ」
「うぇ、なんかいやな予感しかしないんですけど」
「まぁ隊長の書類不備なんていつものことでしょうに」
にたにたと笑う彼を小さく小突いてからしたに降りる。元スペードの仲間から声をかけられた。おいエース、お前何したんだと。
「何って・・・何?」
「マルコ隊長とサッチ隊長が捜してたぞ」
「え、捜してるひと増えてない?」
さっき聞いたときはマルコだけだったじゃん。
あ、だめだ最後まで書ける気がしない。またそのうち!
[1回]
PR