その狂ったような笑いをあげる主の顔には、見覚えがありすぎた。シュラは目を剥いて少年を見やる。なぜあいつがここにいる。なぜこんなところで笑い声を上げている。
ふと思い当たった事を尋ねるために、女神を振り返った。女は必死に否定する。
「私は十分に気配を立って移動したわ!この子だってそうよ!」
「残念だったな、女神よ。お前の小宇宙を我々がわすれらいでか」
「幸いシジュポスは魂だけで動き回れるほどの執念の持ち主でな」
「ふふふふふふふふふ」
ルネの居城はその真っ黒な服を着た少年達によって破壊されていく。こちらも少年達から放たれる光線をよけ、瓦礫を払いのけながらの応戦である。当然フリである事は明白だった。
「どうする!」
「しらん、とりあえずあのイクシオンとかいう奴をなんとかしろ!カズマってやつなんだろ!」
「俺の直接の知り合いじゃねーっつの」
「それはどうでもいいが二人とも、どうするつもりだ。フィルにカズマにルイス、こんなにリタに身近な奴ばっか狙われてるなんて」
「私が何とかするわ」
「ペルセポネ?!」
リタの身体を借りている彼女はす、と前にでて、何事か呟き始めた。
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