単に百人一首を思い出しながら題名にしているのです。特に意味は無いですよ。
ケマ妄想その1 +入学バトンで出した子を投入。やたら仲が悪くてむしろ同属嫌悪ぎみ。
やたら強いけど、ヤル気がすこし足りないおけま。やたら強いけど、やる気がなくてアホな甚内。
闇の中を駆ける今日は食満の機嫌は頗る悪かった。何だってこいつと一緒の任務に出なきゃいけない。こんなんだったら潮江あたりと行った方がまだましだ。直ぐ後ろを走る甚内は体術が抜きん出ている変わりに投擲系があまりに酷く、よく補修を課せられているのを見る。
最上級生たる六年が投擲系全滅とはあまりにもあまりすぎる。これでは縄標も鉤縄も手裏剣も鉤梯子も無理ではないか。これでは逃げる事すらできずに相手を全滅させるか死ぬしかない。
――だから、こいつとは嫌だったのに…
甚内はろ組である。普段は小平太とか長次とかと遊んだりぼけーとしていたりが常であり、おつかいもそこまでレベルの高いものを課された事が無いと聞く。だが己とコイツが組まされたということは任務のお目付け役でもさせられるのかと思いきや、暗殺、もしくは城を落とす事を要求されて驚いた。
『先生、ですがあいつは…』
『あやつは何事にもやる気が無いだけだ。その気になれば下手をすれば…』
俺にひけをとらぬというのか。全力疾走をしている割に息一つみださぬ自分についてくる甚内にすこし恐怖を覚えた。だが当の甚内、目は相当に眠そうである。本当にこいつで大丈夫なんだろうか。
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