じゃあさ、じゃあさ、ゾロ達も誘っていいか!
弟のキラキラした目でお願いされるといやとはいえない。だがこれから海にいくというのに、車は爺ちゃんのボルボのセダン型、しかもぎりぎりシュライヤとアデルを入れて五人いけるかどうかという状態だ。さてどうする。エースはしばしの間考え込んだ。ゾロ達というと、よく一緒に帰って来て騒いでいる五人ということだろう。
ゾロ、ウソップ、ナミ、サンジにビビ。
さぁどうする。エースは悩む。こんだけでっかい人を乗せて動ける車なんぞ、持っている知り合いなど一人しかいない。どうする。あー考えるの面倒くさいな。
困った末に、テーブルの上においていたケータイをとりあげてぴこぴこと電話帳を呼び出し、目的の人物のケータイへ電話をかけた。背後ではつまみ食いすんなこのアホ!とガープがルフィに拳骨を落としているのが音だけでわかる。もはや見慣れたいつもの光景だ。
「~」
「はいよ」
「…俺だけど」
「何だ?」
「サッチ、今日暇?」
「あー、ひまっちゃ暇だけど…」
「頼む車貸してくれるか出してくれるかしてくんね?!」
背後でぴたりと二人が動きをとめるのがわかる。え、だれだれ?知らんわ儂にきくな。そんな小声の会話まで聞こえてきた。まぁこの際知り合いをジジイに紹介するのも悪くない。そう考えて会話を続ける。
「え、なになになんかあんのか」
「家族で海に行こうって言ってたんだけど、ルフィが」
「あー皆まで言うな、つまり、あれだな、でけぇ車が」
「だから最初に言ったじゃん」
思わずずびし、と手で突っ込みを入れながら呟くと、それは聞こえていたようで、ちゃあんと聞こえてるっての馬鹿にすんなよエース、と笑いを含んだ声が帰って来る。
「俺の車は八人のりだから、俺、マルコ、であと誰よ」
「えぇお前らくるの?」
「何だよ俺等が行っちゃいけねぇっての?」
[5回]
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