灰色の街。聳え立つビルディングに囲まれて、自然など並木などで気休め程度にしかない。
そんな中で生活する俺たちは、来る日も来る日も仕事に追われていた。
毎朝迎えに来る車、出迎える薄っぺらい味のコーヒー。黒い髪と通った鼻の秘書は笑顔で
俺を迎えに来るが、しかしそれもなぜか現実味を帯びない。
すべてアレのせいだ。
いつだったかに見た、夢。
焦がれるほどの青。
そして、うざってぇと思わず眉間に皺をよせるほど、どこか聞きなれた笑い声。
お前はそんなところで何をしている?
聞こえた声は心臓を貫いた気がしたのだ。
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